自費出版
さて印刷も、時代の要求に沿って変わっていかねば、食べていけません。比較的に未開の分野が、個人市場となります。従前からは、名刺、はがき、それに封筒・便箋などのステイショナリーの類いがほとんどでありましたが、昨今では、自費出版物の制作がけっこう花盛りとなっています。

本をつくる。当節では、技術的に驚くほど簡便なこととなり、期間も短く価格も安価となっています。とくに、自家本(自費出版物)を1部から制作する「オンデマンド印刷」が注目されていますが、これにはお気を付けください。少々問題があります。オンデマンド方式にも数種あり、用紙への印刷(転写)成分にインキ(油性)ではなくトナー(化成品)を用いる方式には、通常の保管状態で10年ほどの品質保証しか得られないものがあります。文字が用紙から剥離してしまうのです。依頼時には、この点をしっかり確認し、最適の判断をなさる必要があります。

自家本は、持ち金にゆとりのある、熟年世代以降をターゲットとした、気の利いた今様の商品です。
  作者=発注者=支払い当事者
この図式が特徴で、ために制作を請け負う印刷会社が、敬遠するところが少なくありません。数十万円以上の自腹を切るのですから、作者(お客様)も良いものをと必死となり、見返しの用紙を選ぶことすら、数日間も迷うことがあります。付き合う印刷会社の担当も、半日以上他の仕事を放っぽリ出さねばなりませんから、確かに大変です。

商売から離れませんと、この手の制作は難しいのかも知れません。決まって、質と価格と納期とで、お客様の必死の叫びが聞こえてきますから、おもわず当方にも熱がこもり、精一杯に手を差し伸べてしまっているのです。自費出版とは、お客様と印刷会社との一対一の信念の融合されたものであって、それが思いがけず、私ども印刷人の精神的渇望を癒してくれることにもなります。一期一会の出会いにも似たものですから、かけがえのない喜びです。
 

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